運動療法”はじめています

近年、透析患者様の高齢化にともなうADL低下が問題とされています。

ADLとは、「Activities of Daily Living」の略で、「日常生活動作」という意味です。日常生活を送る上で必要最低限な動作のことを意味し、BADL(Basic Activities of Daily Living=基本的日常生活動作)とも呼ばれています。

ある日の透析室前の廊下の写真です。

「歩行介助器具」「車椅子」の“車列の数”はADLが低下した患者様の数を表しています。 10年程前には無かった光景です。透析導入年齢の高齢化・患者様の平均年齢の高齢化と人間誰しも高齢となると足腰が弱くなるものですが、“もう少し頑張ろう!!”と声をかけたい方が居ないわけでもありません。

また、高齢患者様でなくても活動量の低下によって筋力低下している方も散見できます。また、主観的な見立てばかりでなく、検査データなどを解析しフレイル(加齢により心身が疲れやすく弱った状態)・サルコペニア(加齢による筋肉量の減少および筋力の低下)を判断しています。 その様な方々を対象に、当看護部門では『透析中の運動療法』を導入しました。

透析中に運動する事は、ある意味危険も伴います。 しかしながら、看護部門内に「運動療法チーム」を結成し対象患者様の選び方、提供する運動メニュー、安全の構築など様々な問題解決に約1年をかけ準備を進めてきました。 患者様の筋力状態、気持ちなど様々な事を想定し万全な体制でおりますので、まずは気軽に安心して受けて頂きたく思います。 

実際にお体を動かす運動やEMSといった電気刺激で筋肉を動かすメニューなど患者様が受け入れやすいメニュー構成となっており、当院の運動療法は医師の指示のもとに行う事が前提です。

『ADL』にははもう一つ、IADLがあります。 “Instrumental Activities of Daily Living”の略で、「手段的日常生活動作」という意味です。ADLに定義されている動作より、複雑で高度な判断を必要とする動作を指しています。 例えば食事であれば、ADLでは単純に食べる動作を指しますが、IADLは「献立を考え買い物をする」、「料理を作る」、「盛り付ける」、「洗い物をする」など、より複雑な動作を指します。同様に、「電話をかける」、「掃除や洗濯をする」、「交通機関を利用して移動する」、「金銭や薬の管理を行う」などの動作がIADLにあたります。IADLはADLより難易度が高く、自立した暮らしに必要な動作です。 

当透析室では適切な“透析治療”を受けて頂くのは大前提ですが、運動療法によって患者様の『生活の質』が向上し“元気に長生き”して頂きたい!その一心で常にスタッフ一丸となり透析医療に従事しております。 

当院の運動療法について詳しく知りたい方は、運動療法担当責任者 末木看護師までお問い合わせください。                                               

文)透析室長 内田